文脈把握力の欠如

これは意外と知られていませんが、英語を聞き取れない大きな原因となっています。

文脈把握力とは、文法、熟語などの知識を持って、聞こえてくる英語の文脈を把握する力です。

 

例えば、私達はテレビを付けっ放しにして、料理をしたり、仕事をしたり、インターネットを見たりしていますが、放送で自分の気になる話が出てきたりすると、急に耳を傾けたりします。このように、母国語である日本語で放送を聞いている場合には、特に集中していなくても、内容が頭に入ってくるのです。

それに対して、英語の放送を聞いている場合、たとえ上級者レベルであっても、何か他のことをしながらだと、なかなか頭に入ってきません。その点、英語のネイティブは日本人とは比較にならないくらいの文脈把握力があるので、雑音があっても、他のことをしながらでも、聞こえてくる英語の内容を容易に把握してしまいます。

文脈把握力について、実際の英文を見ながら例を挙げてみましょう。例えば、放送を聞いていて、次のような英語が流れてきたとします。

Many people are wondering if it is safe to talk on the phone while driving. There have been quite a few accidents while drivers were talking on the phone.

 

何ということもない英文ですが、料理をしながら聞いていたので、雑音も多く、実際には次のように、点線の部分の単語は聞こえていなかったとします。

Many people are wondering --------- safe to talk ------ while driving. -------- quite a few accidents---- drivers --------- on the phone.

 

こんな場合でも、ネイティブには文法力や単語の組み合わせの知識、ひいては文脈を把握する能力が備わっているので、聞こえなかった部分の単語も予測して、容易に全体の内容を理解してしまうのです。

 

それでは、このような文脈把握力を付けるにはどうしたら良いでしょうか?

まずは、多くの英語を聴くことです。

しかし、それだけでネイティブに近い文脈把握力を付けるとしたら、何年も、ひょっとしたら10年以上もかかるかもしれません。

そこで、効率良く文脈把握力を付けるには、文法をしっかり覚えること、単語は例文とともに覚えて、単語の組み合わせ(コロケーション)を覚えることです。

例えば、先ほどの英文で、

”Many people are wondering” と聞こえてきた時点で、

”wonder if ~ ”という文型を知っていれば、次に続くのは

”if it is ”などは聞こえなくても予測できるはずです。

あとは、”talk on the phone while driving”(運転中に電話で話する)などのひと固まりの単語の組み合わせを知っていれば、部分的に聞こえないところがあっても、聞こえない部分も推測できるはずです。

 

このように、文脈把握力が身に付いてくると、音声に頼らずに英語を理解できるようになるのです。ネイティブが、ヨーロッパ人やアジア人などの訛りのある英語でも問題なく理解できるのは実は、この文脈把握力によるところなのです。

 

次に、ボキャブラリーの不足 についてお話します。